2019.10.27 撮影
ウツロイモタケ
Hydnocystis japonica
ついに見つけてしまいました。
今年中に見つけてやると意気込んでいたきのこだったので、とても嬉しかったです。
発見の経緯は、歩こうと思っていた登山道が流されていて引き返している時という、山からのささやかな贈り物という感じでした。林道脇の斜面をチロチロ見ながら歩いていると、ふと、薄黄色の物体が目に入りました。大小様々な歪なモノが地上にぽつぽつと顔を覗かせており、その幾つかには大きな孔が一つ開いているのに気が付きました。
刹那にはそれがウツロイモタケであることを確信し、気が付けばカメラに三脚をセッティングしていました。昨年は発生する情報をもとに別の場所を探しに行きましたが、不発だったので、この喜びは大きかったです。
幼菌のうちは孔はなく成長するにつれて孔が形成されるみたいです。
ウツロイモタケの面白さのその最たる所以は、地上生から地下生に進化している途中段階という点です。なので、この姿を見られるのは今だけ(何百~何千年の間?)なのです。それと胞子が異様に大きい綺麗な球形という特徴もあります。しかし、無許可で採取できませんからね。もしかしたら下りるかもですが、果たして私の持っている顕微鏡で綺麗に撮れるかというのもあります故に……。